「五等分の花嫁」は主人公・風太郎と五つ子姉妹がくり広げるラブコメ作品です。
物語最終で、風太郎は五つ子の5人のなかから1人を選び結婚に至ります。
タイトルにもあるとおり、風太郎は四葉を選びました。
今回は風太郎が5人のなかから選んだ結婚相手(四葉)についてと、彼女を選んだ理由についてくわしく解説していきます。
当時、この結末に賛否両論があったようですが、あらためて見返すと「なるほど、やっぱりそうだよね」と思わせられます。
*この記事ではネタバレを含む内容がありますので、気になるかたはご注意を
【五等分の花嫁】これまでの経緯|風太郎と五つ子の関係
高校2年生の上杉風太郎(うえすぎふうたろう)は、常に学年トップの成績を収める優等生。
そんな彼の家庭は借金で貧しく、父と妹と3人で慎ましい貧乏生活を送っていました。
家計を助けるために、風太郎は勉強しながらアルバイト生活を続ける日々。
ある日、そんな風太郎に高額での家庭教師のアルバイトの話が舞い込んできます。
思わぬ高収入のチャンスに迷うことなく飛びつきますが、教えるのはなんと五つ子の同級生女子。
風太郎に与えられた使命は、5人全員を進級させ無事卒業させること。
しかし、彼女らは大の勉強嫌いでテストはつねに赤点ギリギリという問題児。
ここから個性豊かな五つ子たちと風太郎の、ドキドキハラハラな学園生活が始まります。
巻き起こる恋の争奪戦!
突然、家庭教師としてあらわれた風太郎に、最初は姉妹たちはかなり警戒し、勉強どころか言うことすら聞きません。
それでもあきらめず、熱心に五つ子と接する風太郎。
次々巻き起こるトラブルをなんとか全員で乗り越え、勉強を通じて交流を深めるうち、風太郎と姉妹たちに心境の変化が現れていきます。
1人また1人と風太郎に恋愛感情が芽生え、やがて5人ともが彼に好意を抱いていくように!?
気が付けば風太郎をめぐり、五つ子たちのかわいくも激しい恋の争奪戦が勃発!
果たして最後に風太郎の心を射止めて結婚相手になるのは一体誰なのか?
最終回では、五つ子たちはみな無事に高校を卒業し、各自目指す道を進み始めます。
【五等分の花嫁】誰と結婚した?四葉を選んだ風太郎
最終回で風太郎は、結婚相手として1人を選びます。
それはなんと、四葉(よつば)でした。
5人全員から告白を受け、最終的に風太郎は彼女を選びます。
風太郎と四葉の関係は?2人の複雑な事情
四葉といえば、姉妹のなかではたしかに最初から風太郎に好意的ではありました。
しかし、恋愛対象というよりは、むしろ親友のようなポジションで良き協力者といった印象でした。
正直、5人のなかでは一番恋愛感情を見せていない、可能性はないと思わせる言動をずっとしていたのですが、これにはある理由があったのです。
作中で明らかになりますが、四葉には彼に告白できない事情があったのです。
一方、風太郎には小学生のときに京都で偶然出会って、ある約束を交わした少女がいました。
彼は今でもずっとその少女との思い出を抱き続け、2人で撮った写真を学生手帳にしのばせて大事にしています。
この少女こそ、なんとかつての四葉だったのです。
しかし、風太郎は学食で出会った彼女(四葉)がその少女だとは気付きませんでした。
一方、四葉は突然目の前にあらわれた風太郎を一目見て、5年前京都で会った彼だとすぐに気付きました。
彼女もずっと風太郎のことを心に秘め、想い続けていたのです。
数年経ち、まさに2人は運命的な再会をし、恋愛ルート確定かと思われましたが、そうはなりませんでした。
なぜなら、あの時交わした約束どおり変化した風太郎とくらべ、四葉はあの頃から何も変われていない自分に引け目を感じ、彼に打ち明けることができなかったからです。
これが四葉が彼に気付いても告白できなかった事情でした。
もう少し四葉について解説します。
四葉とはどんな子?
天真爛漫で根っからの元気少女。これが四葉の第一印象です。
でも実は、今の四葉は劣等感で押しつぶされそうな心を隠し、誰からも好かれる元気で明るい女子を必至に演じる危うい女の子。
これが素の彼女です。
五つ子で生まれてから、彼女は“自分とは”を強く意識し、ほかの姉妹との違いや勝るものをずっと探してきました。
“必要とされる人間になる”ことが“自分”の幸せ。
自分というアイデンティティをずっと探し求め、だれにも本音を明かさずそれに縛られていた四葉。
ちなみに、彼女のトレードマークである大きなリボン。
これも彼女が姉妹たちと違うことをまわりにアピールしたいがため、あえて付けるようになったものです。
四葉の抱える過去
中学時代、当時の彼女は必死に努力して自信を持っていた学力で、姉妹に負け挫折を味わいます。
さらに、自分が意義を見出していたことも否定され、このせいであろうことか姉妹たちに迷惑をかけてしまう事態に発展します。
このことは彼女の大きな傷となってしまいます。
これで「自分は姉妹たちより幸せになってはいけない」と思い込み、彼女は自分を見失っていきます。
明るく振る舞いながら、自分の心と向き合う恐怖から、その結果ただやみくもに誰かの役に立ち感謝されることで、自分の存在価値を見出そうとし、かろうじて自我を保っていたようです。
いつしか、彼女は肝心の“幸せな自分になるため”はなくなり、ただ“必要とされる人間”になることだけを求め、本末転倒に。
根が素直すぎるせいか、もはやトラウマとなって「頼りにされたいだけ」の人になり苦しみ続けていたというわけです。
そんな彼女の苦しみを誰よりも理解し、支えとなり救ったのが風太郎でした。
では、風太郎は熱烈なアプローチを受けながら、なぜ5人の姉妹のなかから四葉を選んだのでしょうか?
くわしく解説してみます。
【五等分の花嫁】なぜ風太郎が四葉を選んだのか?3つの理由
五等分の花嫁の最終回で、風太郎が選んだ相手(結婚相手)は四葉でした。
原作では、直前の文化祭で風太郎がだれを選ぶか答えを出すと5人に伝え、それぞれとのやりとりが描かれていきます。
風太郎が四葉を選び、結婚した理由はなんだったのでしょうか。
・風太郎と四葉の「共通点」
・四葉は風太郎の支えだったから
・四葉以外は自分の道を見つけているから
これら3つの理由が考えられます。
それぞれ理由をくわしく解説しましょう。
風太郎と四葉の「共通点」
風太郎と四葉には、かつて小学生の頃に京都で交わしたある“約束”があります。
その約束とは、お互い“必要とされる人間になる”こと。
これが彼らにとって、その後の目指す目標となりました。
しかし一方で、成長を妨げる“枷(かせ)”ともなっていたのです。
風太郎は必要とされる人間になるため、勉強以外のことはすべて排除し、ひたすら努力してきました。
四葉も同じく、必要とされる人間であるため自分を捨て、ただ役に立つことに徹してきました。
これが2人の共通点で、ともに大事な“心”を失っていたのです。
のちに彼らは共に支えあい、自分を知ることであらたな気付きを得て、見事克服していきます。
風太郎自身は、過去(京都の少女)との決別を果たすことで、必要とされる人間の真の意味や、誰に必要とされたいのかに気付けました。
同時にいままでの四葉の言動に、自分と同じ共通点“枷(かせ)”を感じたのかもしれません。
四葉は昔の風太郎を知る幼なじみの竹林の助言で、彼も同じ境遇に苦しみ変わっていったということを聞き、勇気をもらっています。
風太郎は四葉を支える決心をし、四葉は自分の気持ちに素直に生きることを選びました。
四葉は風太郎の支えだったから
作中で、風太郎は家庭教師として、公私ともに五つ子姉妹と関係を深めていきます。
最初の頃は姉妹たちとの関係は決して良好とは言えず、むしろ何かにつけてはぶつかり、一筋縄ではいかないようすでした。
そもそも勉強をしないばかりか、妨害行為や薬を盛られたりまでして、かなり険悪なムードに。
そんななか、ただ一人四葉だけが風太郎に寄り添い、献身的に力を貸し協力しています。
学校の行事(林間学校や文化祭など)で風太郎を手伝い、そして風太郎に後悔しないよう学校を楽しんでもらおうと、心を配り行動していた四葉。
おかげで風太郎はクラスになじみ、クラスメイトとも打ち解けられるようになりました。
次々と降りかかるトラブルに心が折れそうになる風太郎を、最初から変わらず励まし、ずっと支えていたのが四葉でした。
風太郎も「お前(四葉)のおかげで乗り越えられた」と素直に気持ちを伝えています。
彼女を特別な存在と捉えていたようすも垣間見えます。
四葉以外は自分の道を見つけているから
風太郎との交流の中で、姉妹たちは徐々に自分の可能性を信じ始めていきます。
さらにそれぞれが夢や目標を明確にしていき、叶えようと道を決めひたむきに歩んでいくようすが描かれます。
もちろん、各自が風太郎への恋心も加速させ、風太郎と結ばれることを夢見ています。
彼女たちの成長を感じながら、また想いも受け止めながら風太郎は考えます。
このときの風太郎は、自分が想い続ける京都の少女が5人のだれかであることは分かっています。
自分は彼女たちの道を示し、無事卒業させるサポートをするための教師であること。
本当に自分を必要とし、隣にいるべき必要がある相手はだれなのか?
【五等分の花嫁】四葉の夢が決定的!
ここで思い出してほしいのが、作中で唯一自分の進みたい道を言っていない人物がいます。
一花は女優、二乃と三玖は料理の道、そして五月は母と同じ教師。
四葉だけが夢や目標を口にしていないのです。
自分がそばで支え、必要とされる人物は彼女しかいないと。
これは風太郎にとって、5人を公平に見たうえで選ぶ判断材料となったように思います。
付け加えると、四葉の夢は、彼女が自分の心と向き合いトラウマを乗り越えたあと、風太郎とデートした最後に彼の告白を受けはじめて明らかになります。
彼女の夢は「お嫁さんになること」でした。
あらためて振りかえってみると、ほかの姉妹たちの積極的なアプローチが、あまりにインパクトが強かったので見劣りしがちでした。
とはいえ、風太郎と四葉は最初から結ばれることは必然の関係だったようにも思えます。
なかでも四葉とのデートでの風太郎の告白が、予想外の交際をすっ飛ばしてプロポーズだったことで、四葉の気持ちに気付いてくれたという全てが回収された結末でした。
【五等分の花嫁】誰も選ばないという選択肢
風太郎は当初、誰も選ばないという選択をすることを一花に話していました。
これは、5人全員を好きであり誰も傷つけたくないという風太郎なりの誠意からだったようです。
「おこがしいことなんじゃねえの、すべてを得ようなんて・・・
なにかを選ぶときはなにかを選ばないとき、いつかは決めなくちゃいけない日が来る」
しかしこの選択は、彼女たちの努力を全て無意味にしてしまうこと。
これに気付いた風太郎は、男らしく1人を選び、彼女たちもその決断に納得します。
まとめ:【五等分の花嫁】誰と結婚した?風太郎が四葉を選んだ理由とは
今回は物語の結末となる風太郎が5人のなかから選んだ相手(四葉)についてと彼女を選んだ理由について解説してみました。
風太郎が選んだ相手は四葉
選んだ理由は3つ
・風太郎と四葉の「共通点」
・四葉は風太郎の支えだったから
・四葉以外は自分の道を見つけているから
この作品では結末を示唆する伏線が多数存在しています。
結末が分かってあらためて見返してみると、作中での彼女たちの心境や言動が、別の見え方がしてきます。
2023年に放送された「五等分の花嫁∽」では四葉視点でネタバレが描かれています。
ブランコのシーンなんかはもう涙なしでは見れません。
あらたに四葉の素敵な魅力が発見できファンになっちゃいますよ。