今回は、主人公ルーデウスの父であるパウロ・グレイラットの最期についてネタバレ解説します。
ガサツで不器用、根っからの女好き、ただ剣の腕前と不思議と女にモテる破天荒な自由人、パウロ。
決してだれもが憧れるような人物ではないものの、ある意味で人間くさい等身大の彼の生き様は、リアリティがあり一人の男としてとても魅力的に映ります。
また、本作のテーマの一つである、彼が最後まで貫いた「家族への愛」は、息子ルーデウスののちの人生観に大きな影響を与えることになります。
今回ご紹介するパウロの最期のシーンは、本作の数あるヤマ場のなかでもひと際涙を誘う名場面。
命がけで家族を守る覚悟を見せたパウロがとてもかっこいいのです。
みなさんも本作を通して描かれるパウロという人物を知れば、きっと彼の魅力がわかるはずです。
*この記事ではネタバレを含む内容がありますので、気になるかたはご注意を
【無職転生】パウロは死亡!?の真相
結論を先にいうと、パウロはルーデウスの目の前で死亡してしまいます。
パウロは転移事件で行方不明となった妻ゼニスを救い出すため、仲間とベガリット大陸迷宮都市「ラパン」にある転移迷宮に潜入し、ついにゼニスを見つけ出します。
しかし、そこには救出を阻む巨大な魔物(マナタイトヒュドラ)が立ちはだかり、パウロらは戦闘になります。
パウロはルーデウスや仲間(エリナリーゼ・タルハンド)とともに果敢に挑みますが、規格外の強さに苦戦。
ついにとどめを刺すというタイミングで、息子をかばいヒュドラの攻撃を受け死亡します。
転移事件にあい、あれから6年も探し続け、やっとの思いで愛する妻を目の前にして、あと一歩のところで命尽きたパウロ。
残念ながら彼はゼニスを抱きしめることなく最期を迎えます。
パウロはどんな人物?
パウロはアスラ王国の上級貴族の長男に生まれながら、自由奔放な性格のため束縛を嫌い、父と折り合いが悪くなり12歳で家を飛び出し、自由気ままな冒険者となった男。
自由人となったパウロは、仲間を集め冒険者パーティ「黒狼の牙」を結成し、リーダーとして仲間と世界を回り楽しく冒険者生活を送っていました。
持ち前の剣の腕前でめきめき頭角を現し、Sランクパーティとしてちまたでも名が売れていた矢先、あるとき仲間の一人ゼニスと関係をもち、その後彼女が身籠ったことで一緒に引退すると、突然パーティを解散してしまいます。
仲間たちからは恨みを買いますが、それからは親戚の伝手で片田舎で雇われ用心棒としてたまに働きながら、ゼニスと気楽な夫婦生活を送る日々。
家族を愛する男に
やがて最愛の妻ゼニスとの間にひとり息子ルーデウスが誕生します。
ご存じのとおり、このルーデウスは中身が異世界から転生した34歳の男。
幼児ながら信じられないほど優秀な息子に翻弄されながらも、目いっぱい子育てに奮闘する新米パパ・パウロ。
しかし、出来の良すぎる息子とくらべ、父としてはまだまだ未熟で失敗や苦悩の連続。
なんとか息子の子育ても落ち着いた頃、妻ゼニスに2人目が妊娠。
ところが、妻の妊娠で禁欲中だったことから、あろうことか侍女に手を出し、子供までできてしまい修羅場勃発!
家族崩壊の危機もルーデウスの機転でなんとか乗り越え、無事娘(ノルン&アイシャ)も生まれ順風満帆のパウロ一家。
と、このように人格としては決して褒められるような人物ではないものの、その後はフランクな性格が幸いし、良き夫でときに息子の良き相談相手となり、一家の大黒柱として少しづつ大人となって成長していくパウロ。
転移事件で変わったパウロの運命
しかし、転移事件を境にパウロ一家の幸せは一変します。
ここからパウロの生き別れた消息不明の家族を探す、試練の旅が始まります。
パウロの物語は本筋であるルーデウスの旅の裏で平行して動いていくのですが、のちに偶然の再会で2つの物語はつながることになります。
このパウロとルーデウスの再会シーンも「無職転生」感動場面の一つで、変わり果てたパウロの表情や心情の変化が実に魅力的に描かれています!
なかでもパウロの家族への深い愛情が際立っていて、この感動の再会のあと今回の最期のシーンにつながっていくわけです。
それだけにパウロ軸の物語の結末は、希望から絶望へと落胆がはげしく、何とも言えない複雑な気持ちになります。
物語をとおして不器用ながらも夫として父として懸命に家族を守り続け、そして家族のために命を落としたパウロ。
後を息子ルーデウスに託し、パウロの生涯は幕を閉じます。
【無職転生】パウロの死亡シーンは原作(小説)何巻?アニメは?
手に汗握るヒュドラとの死闘!
気になるパウロの死亡シーンですが、原作(小説)で描かれるのは12巻9話「死闘」です。
漫画ではまだ登場していません。(2024年4月現在)
アニメでは第2期2クール目(2024年4月~放送)でこのシーンは登場します。
まとめ:【無職転生】パウロは死亡!?不器用な父の最期(シーン)がかっこいい!
今回はパウロの最期や人物像について解説してみました。
決して人間的に優れた人物ではないものの、命を賭けて家族を守る彼の生き様は、本作屈指のかっこいいキャラとして人気です。
前世で現実や両親から目を背け、後悔してきたルーデウスにとって、不器用ながらもひたむきに接してくれたパウロは、きっと尊敬する素晴らしい父親だったのではないでしょうか。