今回はアニメ『無職転生』1期(2クール)に仕込まれた伏線のなかから、とくに重要な展開となる伏線のいくつかをご紹介していきます!
アニメ『無職転生』をご存じないかたはもちろん、すでに何度も視聴されたかたでも、うっかり見過ごしているかもしれない「えっ!?」な伏線を確認してみてくださいね♪
*この記事では一部ネタバレの内容を含みますので気になるかたはご注意ください
もくじ
『無職転生』ってどんな作品?
なろう系異世界転生もののさきがけと言われ、人気ランキングでも長くトップに君臨していた『無職転生』
“理不尽な孫の手”氏原作で正式作品名は『無職転生-異世界行ったら本気だす-』
現世で希望を失い引きこもっていた主人公が、不慮の事故で気が付くと異世界に転生し、人生やり直しの再起を図るという、いまやお約束テンプレな設定ながら、ストーリー全体のクオリティの高さには定評があります。
そんな当作品の待望のアニメは、クライマックスにつながるいくつもの伏線が冒頭から仕込まれた、実はとんでもない魅力を秘めた作品であると界隈では評価を得ているようです。
【無職転生】伏線を解説!アニメ2期以降で回収!?
ここからは実際にアニメ1期全2クール(23話)で放送されたうち、まずは前半(1~12話)までの内容から含まれる伏線を紹介していきます。
*後半(13~最終23話)はあらためて更新していきます。
伏線①:異世界転生前(プロローグ)前世の男が助けようとした高校生(3人)のうち行方不明が2人
第1話で主人公(前世の男)は高校生3人を助けようとして身を挺して飛び出したものの、トラックに轢かれ命を落とす結果となりました。
さらに、実は主人公の勇気ある行為もむなしく、この時高校生も一緒に事故に遭ってしまいます。
結果的に事故に巻き込まれた高校生3人(男2女1)のうち男子高校生1人は無事助かったのですが、なぜか残りの2人の行方が分からないと、現場の救急隊員の無線で明らかになります。
その男女2人の高校生は、いったいどこに行ってしまったのか?
この2人の存在がストーリーの後半に大きく関わってくることになります。
おそらくお気づきかと思いますが、2人とも主人公と同じく異世界に転生しています。
伏線②:主人公・ルーデウスの能力はイレギュラーで特別な存在
異世界で転生後、前世の意識のまま赤ん坊となって生まれ変わった主人公。
赤ん坊ながら中身は30代独身ニートなので、母親の胸を揉みしだいたりと性欲全開で、まるで赤ん坊らしからぬ振る舞いをしてまわりの大人をやや困惑させます。
幼いルーデンスの視点で前世の男の声で心情がナレーション的に流れるので、単純にかわいいという印象は持ちません。
この彼の下衆ぶりは、今後のルーデンスが成長していく上で人格の移り変わりや行動パターンを視聴者により強烈に印象付ける、ある意味狙いでもあり伏線ともとれます。
両親の愛情のもと何不自由なくすくすくと成長し、やがて彼の本領というかポテンシャルの高さが徐々に明らかになっていくのです。
幼児(中身は30代)にして早くも文字を覚え、自宅で見つけた魔術教本を読みあさり実践を開始します。
しばらくすると、ルーデウスは練習するうちに無詠唱で魔法を発動できるまでになり、魔力量も練習すればするほど増えていくのだと理解したようでした。
しかし実は、この状況はこの世界の魔術の常識ではありえないことだったのです。
つまりこの時すでにこの世界の魔術の常識をくつがえすほどの異例の能力が備わっていることには本人も気付いてはいません。
やがて独学で自宅を破壊するほどの威力の中級魔術(水魔法)を発動させるまでに至ったルーデウスは、両親を驚かせこの子は特別だと喜ばせます。
このことで第1のヒロイン、ロキシーとの出会いにつながっていきます。
ほかにも、ルーデウスが特別の魔力量をもつことを際立たせる裏付けのエピソードとして、二つの魔法を同時に発動できる能力や、魔術の鍛錬のために土魔術を使って精巧なロキシーのフィギュア(人形)を作ることなど、実は今後の展開に大きく結びつく重要なポイントが、伏線としてとくにくわしい説明もなく盛り込まれているのです。
とはいっても、まだまだチート無双状態というわけでもなく片鱗を見せるといった程度です。
伏線③:父・パウロが読み聞かせてくれていたおとぎ話
就寝時にベッドでパウロがルーデウスに絵本の読み聞かせをするシーンがあります。
「こうしてぺルギウスが12人の使い魔を従え魔神ラプラスの元へ向かった・・・。」
ただのおとぎ話かに思えますが、実はパウロがルーデウスに読み聞かせていたこのセリフ。
これはストーリー終盤以降に大きく関わってくるとても重要な伏線なのです。
パウロの正体と冒険者パーティ「黒狼の牙」
アニメ第6話で登場するギレーヌの思い出話で話された「黒狼の牙」という冒険者パーティ。
かつてこの世界で名を轟かせたSランク級の冒険者パーティ。
パウロ、ギレーヌ、エリナリーゼ、タルハンド、ギース、そしてゼニス。
メンバーは6人で、そのパーティのリーダーがパウロでした。
転移災害後、ルーデウスやロキシー、そしてエリスらと重要人物として大きく関わってくるキャラです。
なかにはラスボスに近い存在とうわさされる人物もいます。
伏線④:母・ゼニスの出自の秘密に関わる食事シーン
アニメ第1話で流れるグレイラット家の食事シーン
食卓を囲みゼニスが手を合わせ神に祈りを捧げています。
そのお祈りを聞くと「ミリスよ、私たちに生きる糧をお恵みくださり感謝いたします」と言っています。
つまり、ゼニスはこの世界の宗教のひとつであるミリス教の信徒であることがわかります。
彼女の出身はミリス教の総本山があるミリス神聖国で、パウロと知り合うまではラトレイア伯爵家の貴族令嬢としてすごしていたという経歴があります。
わけあって実家を飛び出し、のちに夫となるパウロと知り合い、パーティの仲間に加わり冒険者となったのです。
このミリス教ですが、不貞行為はご法度で人間至上主義の差別思考のあるやや偏った思想を持つ教義を絶対の教えとしているため、少し堅物な性格の人間が多いようです。
ちなみに、手を合わせているのはゼニスだけのようなので、ほかの家族は信徒ではないのかもしれませんね。
このミリス神聖国やゼニスの血縁者もストーリー中盤以降で登場してきます。
伏線⑤:グレイラット家侍女・リーリャについて
リーリャはグレイラット家で侍女(メイド)として働いていますが、グレイラット家とは侍女以上の深い関わりを今後持ってくるストーリー上、重要人物となります。
きっかけはパウロとの子どもを身ごもったことから事態は変わります。
ある年、母ゼニスが2人目を妊娠し家族仲良く平穏なグレイラット家に、突如起こった修羅場。
ゼニスの妊娠で欲求不満になっていたパウロを誘惑し、不倫関係になったリーリャ。
侍女が主に手を付けられることは、よくあることといえばそうかもしれませんが、
ゼニスの心情を思えば本来ならリーリャは追い出されて当然なのですが、結局この修羅場は幼いルーデウスがうまくおさめ、産まれてくる子供とともにみな家族として一緒に暮らすことになります。
このことから、ルーデウスにとってリーリャは本当の家族となり、リーリャもまたルーデウスに恩義を感じ、産まれてくる子供とともに終生仕えることを誓います。
実はリーリャはもともと王に仕える剣士で、パウロと同じ水神流剣術の門下生として旧知の間柄でした。
不慮の事故で引退し、侍女としてパウロに雇われたのですが、門下生当時パウロに無理やり夜這いされた過去があり、ひょっとすると積年の恋慕もしくは恨みがあったのかもしれません。
ちなみにこの異世界では一夫多妻が認められているようです。
その後、ゼニスもリーリャも無事に娘(ノルンとアイシャ)を産み、とくにこの2人の妹が今後の展開で兄であるルーデウスに深く関係する重要なキャラクターとなります。
伏線⑥:ヒロインのひとりシルフィエットの今後
当作品の多くの登場キャラのなかでも屈指の人気を誇るヒロインのひとり、シルフィエット。
主人公・ルーデウスと密接に関わる超重要人物なのですが、葛藤を抱えながら一途な思いがかわいらしくも、たくましく生きて成長を遂げる彼女の姿に心惹かれるファンも多いです。
緑色の髪とボーイッシュな見た目
ロキシーの家庭教師を終え、ルーデウスが次に出会うシルフィエット。
幼少期からのコンプレックスで短髪にしています。髪の色はある因子が強く影響していたためです。
緑色の髪のため魔族と言われずっといじめられていましたが、あるときルーデウスに助けられたことで彼を慕い始めます。
ところが転移事件の際に転移の影響と魔力枯渇で白くなります。
このこの髪の色は実は今後の彼女の立場において伏線となっています。
まとめ
今回はアニメ『無職転生』1期(2クール)に仕込まれた伏線のなかから、とくに重要な展開となる伏線のいくつかをご紹介しました。
ストーリーとしては主にフィットア領転移事件よりも前に仕込まれた伏線を中心に紹介してみましたが、ほかにも細かく言えば本当にたくさんの先の展開のフラグとも思える伏線が存在します。
この作品の素晴らしいのが、明らかに誰でもわかる伏線ではなく、実にさりげなくさらっと描写されているのが絶妙です!
アニメでは原作小説とはまた違った心理描写や表現ができるので、クライマックスで回収されるまで映像化を期待します♪
間違いなく傑作アニメと言っても過言ではないでしょう。
アニメ『無職転生』2期に期待です。