今回は当作に登場する謎の人物、羅漢について、身請けと猫猫や緑青館との関係などくわしく解説してみます。
猫猫に嫌われながらもしつこく付きまとい身請けを望む羅漢。
・彼の正体はなんと!?
・おどろきの猫猫と羅漢の関係とは?
・妓楼「緑青館」との因縁とは?
・鳳仙と羅漢との関係
羅漢の過去にまつわるこれらの謎についてくわしくまとめていきます。
そして、このシーンが描かれるのは小説・漫画何巻(何話)?
*この記事ではネタバレを含む内容がありますので気になる方はご注意を!
羅漢が身請けしたのは鳳仙!小説・漫画何巻?
羅漢が身請けするシーンが描かれるのは、
です。
で描かれています。
です。
身請けを賭けて猫猫と象棋(シャンチー)勝負!敗北した羅漢
羅漢は象棋(シャンチー/将棋)で勝負して、勝てば猫猫を身請けし、負ければ緑青館の妓女をだれか一人身請けするという条件を賭けて、猫猫と約束を交わします。
羅漢に負ければ猫猫は羅漢に身請けされることになります。
象棋の名手と名高い羅漢と一騎打ち!なんとしても負けられない大一番です。
猫猫は少しでも有利になるようある秘策を考えます。
それは5回勝負で1勝負ごとに負けたほうは酒を一杯ずつ飲むという作戦。
しかも5杯のうち3杯にはある薬を仕込ませる。
その薬は1,2杯なら害はないが、3杯飲むと毒になるというもの。
その薬がどの杯に入っているかはどちらもわからない。
早く3勝したほうが勝ちという危険なルールです。
猫猫は毒にも酒の強さにも自信があったので、酔わせて羅漢をつぶそうと考えたのです。
実は、猫猫は羅漢が酒に弱い(下戸)ことを知っていたからでした。
しかも、気付かれないよう酒には酔いのまわりを早めるための薬(砂糖・塩)を仕込むという念の入れようで。
さすがにまともに勝負して勝てる見込みはなく、猫猫の読みは見事にあたり、1杯でぐでんぐでんに酔っぱらった羅漢に見事勝利。
羅漢と鳳仙の奇跡の再会
約束通り、緑青館の妓女を一人身請けすることになった羅漢ですが、選んだのは思いもかけない人物だったのです。
羅漢が身請けに選んだ妓女とは、なんと緑青館の離れで人知れず寝かされていた余命いくばくもない病人の鳳仙でした。
なぜよりにもよって病人を選ぶのか?
なぜなら彼女こそ、羅漢がずっと捜し求めていた女性だったからでした。
鳳仙を見て迷わず羅漢は「彼女を身請けする。彼女しか受ける気はない」と言い切ります。
このシーンは作中屈指の涙をさそう感動シーンです。
羅漢と猫猫の関係は?
その前に、羅漢と猫猫がどういう関係なのか?なぜ羅漢はしつこく猫猫の身請けにこだわっていたのか?
これについて解説します。
羅漢は猫猫の実の父親で2人は親子です。
さらに、母は鳳仙です。
つまり羅漢と鳳仙との間にできた子、それが猫猫だったのです。
猫猫は物心ついた頃から、ある事情で養父である伯父の羅門や「緑青館」妓女たちに育てられてきました。
そのため実の父の顔を知らず、当初は近所のやたらしつこい薄気味悪いおじさんくらいにしか思っていませんでした。
羅漢のあやしい風貌と気味の悪さに、嫌悪感すら感じていたと言います。
のちに猫猫はその事実(親子)を知ることになります。
羅漢が猫猫の身請けにこだわる理由は、当然ながら自分の娘だからです。
「大事な娘である猫猫と一緒に暮らしたい」
これが羅漢がこだわる理由です。
ですが、過去の一件の恨みや事情を知らない当の猫猫が嫌がっていたことから、やり手婆が何度も羅漢を追い払っていました。
羅漢にとっては猫猫だけが最愛の人との唯一の絆(忘れ形見)だったからでしょう。
なぜ羅漢は梅梅を身請けしなかったのか?梅梅の涙の理由
猫猫との賭けに敗れ、妓女を身請けすることになり、誰もが梅梅を選ぶと思っていた羅漢ですが、なんと彼が選んだのは鳳仙でした。
しかも、今は病のせいでかつての美しさは見る影もなく、廃人のように朽ち果てた姿の彼女を選んだのです。
梅梅を選ばなかったのは鳳仙がいたから
羅漢は鳳仙が生きていることはずっと知りませんでしたが、彼女への想いは今もずっと忘れていません。
すると、どこからともなく聞こえてくるなつかしい歌声で、羅漢はすぐに彼女だと気付きます。
泣き崩れる羅漢と梅梅
梅梅は緑青館で幼少から“禿(かむろ)”として鳳仙に付き、そばで可愛がられていました。
そんな鳳仙に梅梅もあこがれていました。
梅梅は鳳仙の羅漢への気持ちも当然知っていましたが、梅梅も羅漢という人物の人柄に惹かれいつしか彼女自身も羅漢を好きになっていたのです。
今では緑青館のトップ妓女の誇りとして、羅漢に身請けされたい思いはもちろんあったでしょうが、それよりも羅漢の本心を誰よりも分かっていたのは梅梅です。
梅梅はあえて鳳仙が生きていることをほのめかし、羅漢の気持ちを確かめたかったのでしょう。
もしかしたら自分を選んでもらえるかもと・・・
しかし、泣き崩れる羅漢を見て「彼は鳳仙への想いをずっと忘れていなかった」と梅梅はやっぱり自分ではないと思い知り、涙を流したのです。
羅漢とは何者なのか
猫猫や壬氏へのネチっこい執着ぶりから、かなり怪しい人物だと思われている羅漢ですが、こうみえて優秀な軍師で位は大尉、つまり軍の最高幹部です。
若い時から人並外れた頭脳と軍略の才があり、すぐに頭角を現し軍では評判の切れ者で名が通っていましたが、あまり出世や名声に興味はなく「変人軍師」とうわさされるほどの変わり者でした。
若き日の羅漢
羅漢の生まれは国でも有力な名家の跡取りで、才覚もあり将来を期待された若者でした。
しかし、幼少のころから羅漢はある致命的な病気を抱えていて、他人はおろか自分の親の顔ですら見分けられないという障害をもっていました。
このせいで父からも見放され、あまり他人に興味が持てないという一面がありました。
負け知らずの羅漢
とはいえ、唯一優しくしてくれた伯父に他人を象棋の駒で見分ける術を教えられ、羅漢は段々と自分に自信を付けていきます。
とりわけ象棋(シャンチー)の腕前では右に出るものはなく、やがて連戦連勝のちまたでもうわさの名士となっていた羅漢。
あるとき仲間の付き合いで行った花街の高級妓楼「緑青館」に、名うての碁の名手がいると聞き、勝負を挑むことに。
そこにいたのは美麗な妓女・鳳仙でした。
妓女・鳳仙との運命の出会い
羅漢は鳳仙を一目見るなり、はじめて他人の顔をはっきりと見分けることができたのです。
彼女に運命を感じ、それから羅漢は鳳仙と碁を打ちに足しげく緑青館に通い詰めます。
鳳仙も羅漢の気持ちに気付き、やがて2人は心を通わせ始めたのでした。
ところがその矢先、人気妓女である鳳仙を大金で身請けしたいとの話が持ちあがり、羅漢はあせります。
なんとか身請け(縁談)を阻止しようと、彼女の価値をなくすために禁じ手を犯してしまいます。
鳳仙への愛ゆえに、彼女も合意のもと2人は身体の関係を持ったのでした。
すれ違いで終わった2人の関係
先のとおり、羅漢は名家の跡取りとして生まれるも障害のせいで苦労してきました。
なんとか努力で認められる功績をあげてきましたが、まだまだ力はありません。
間の悪いことに、一門で出世していた伯父が重罪を犯し失脚したという知らせが!
滅亡の危険が迫る一族に、当主である父の命令で羅漢はほとぼりが冷めるまで、遊説という形で遠方へ赴任させられます。
それにより羅漢は鳳仙に「すぐ戻る」とだけ伝えますが、結果として2人は引き裂かれることになります。
その後、すでに鳳仙が身籠っていたことがわかりますが、連絡のとれない羅漢に捨てられたと思った鳳仙は、猫猫を産んだあと心を病んでしまいます。
そればかりか、羅漢との一件で大金での身請けの話を壊された緑青館主(やり手婆)の恨みを買い、借金のかたに遊女に落とされ安価で何人も相手にさせられた鳳仙は、やがて病気を移され身も心もボロボロになっていったのでした。
猫猫が生まれて数年後、赴任先からようやく戻ってきた羅漢は事実を知ります。
急いで緑青館に向かうも、やり手婆にこっぴどく殴られ、すでに鳳仙がいないことに嘆き、道を踏み外したことでみるみる荒んでいきました。
しかし、あるとき伯父が連れていた鳳仙にとても良く似た少女を見かけ、我が子だと確信します。
猫猫の羅漢に対する気持ちは?
「嫌ってはいても恨んではいない。」これが猫猫の本音のようです。
おそらく色々な思いはあるでしょうが、猫猫にとって今の人生はまんざらでもないような印象です。
彼女にとって父と呼べる人物は養父である羅門だけで、今の薬師としての自分があるのも、羅門のおかげという気持ちが強いのでしょう。
花街でまわりに支えられ育ってきた結果、今の幸せがあるとも感じているようです。
また、壬氏から、(羅漢に)身請けされたくなかった理由や、それほどまでに羅漢を嫌う理由をたずねられ、おそらく養父(羅門)への気遣いもあるでしょうが、本音かどうかわかりませんが羅漢のことを「パパ」と呼ぶのが気持ち悪いからだと語ってもいます。
ですが、猫猫の勘の鋭さや地頭の良さは間違いなく親譲りで、それを猫猫も感じています。
変わり者とはいえ、国も認める羅漢の有能さは今も健在で、親を超えられていない悔しさなども多少関係しているのではないでしょうか。
まるでかわいい思春期の娘のようですね。
羅漢が身請けに選んだのはだれ?
猫猫との勝負に敗れ、妓女を身請けすることになった羅漢。
気乗りはしないものの、娘との約束だからと渋々、一人選ぶことにします。
梅梅の揺れ動く気持ち
顔の判別ができない羅漢にとっては、誰を選んでもみな同じ。
ならばと、昔から顔なじみの梅梅を身請けする気になっていました。
一方、羅漢の人柄や本心をよく知る梅梅も、彼に心惹かれ自分を選んでほしい気持ちはありながらも、トップ妓女としての誇りとの間で揺れ動いています。
猫猫を含め誰もが当然のように、羅漢は古くから顔見知りだった梅梅を選ぶと考えていました。
しかし、当の梅梅は、
「私とて妓女の矜持は持ち合わせています。選ぶならちゃんと選んでくださいね。」
おもむろに窓を開ける梅梅。
するとどこからともなく聞き覚えのあるなつかしい歌声が・・・
羅漢はハッとして、全てを悟ります。
ついに待ち望んだこの時が!
再会を果たす羅漢と鳳仙
声のするほうへ一目散に走り出す羅漢。
そこには病で顔はぼろぼろになり、意識ももうろうとした今にも命尽きそうな女が横たわっていました。
しかし、羅漢にははっきりと見えるかつての美しい鳳仙の姿がそこにはあったのです!
やっと会えた・・・すまなかった・・・ぼろぼろと泣き崩れる羅漢。
羅漢はやり手婆に「金はいくらでも出す」と伝え、この鳳仙を身請けすることを決めます。
羅漢と鳳仙のその後
こうして多額の金を緑青館に払い、ようやく2人は結ばれたのでした。
その後の2人は、過去を取り戻すかのように仲睦まじく幸せな時を過ごします。
やがて羅漢の腕の中で鳳仙は命尽き、思い残すことなく旅立っていくのでした。
まとめ:【薬屋のひとりごと】羅漢の身請けは何巻(何話)?鳳仙や猫猫との関係が泣ける!
今回は当作に登場する謎の人物、羅漢についてくわしく解説してみました。
・猫猫に嫌われながらもしつこく付きまとい身請けを望む羅漢。
・羅漢が唯一愛した女性は妓女・鳳仙。
・猫猫は羅漢と鳳仙の子供。
・羅漢が身請けしたのは鳳仙。
・羅漢の身請けシーンが描かれるのは8巻(39話)/BG版・7巻(29話~)/サンデーGX版。
羅漢の一途な想いが実った感動の名場面が描かれています。
このシーンで羅漢に対するイメージは、「あやしい男」から「いい男」に一新します!
見事に予想を裏切るいいお話です!