【薬屋のひとりごと】下賜(かし)とは?意味や芙蓉妃の目的は?

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「薬屋のひとりごと」の作中で、「下賜されてしまう」という発言がでてきます。

後宮妃のひとりである芙蓉妃に言い渡された決定事項のようですが、いったいどういう意味があるのでしょうか?

今回は「下賜(かし)」について、作中の出来事もあわせてくわしく解説してみます。

*この記事にはネタバレを含む内容がありますので気になる方はご注意を!

薬屋のひとりごとの「下賜(かし)される」とはどういう意味?

下賜とは、高い身分の者が低い者に対して人や物を与えることを言います。

この時代では戦争など国のために武勲(ぶくん)をあげると、褒賞として金品や望みの物が与えられる習わしがあり、作中でもあるように、金品以外に皇帝(主上)のたくさんの妃(側室)のなかで「欲しい!」と願えば譲ってもらえる場合があったようです。

現代なら“女性人権問題”やら“女性蔑視”だと大問題になる事案ですが、あくまでファンタジーの世界と理解してくださいね。

後宮妃にとっては“クビ”と同じ

“下賜”も後宮妃の役目の一つとも言えますが、当の後宮妃にとっては帝の寵愛を受け子を成し、親類縁者となることが第一目的であり、引いては一族の願いでもあるわけです。

もし東宮(男の子)を産んだとなれば、その子は次期皇帝候補。

場合によっては皇帝の母(皇后)の座も夢ではないのです。一気にファーストレディーになれるチャンス。

それなのに、褒美とはいえ部下に払下げられる形となる“下賜”は、言うなれば「あなたもう用済み(クビ)ですよ」と言われているようなもので、本来はだれもが屈辱なことなのです。

ちなみに“下賜”に拒否権はありません。きびしー

芙蓉妃(ふようひ)の目的は下賜されることだった!

後宮妃のなかでは中級妃(正四品:せいよんひん)の位だった芙蓉妃(ふようひ)が、とある武官に“下賜”されることが決まり、作中で本人も侍女たちも激しく動揺する場面があるのです。

ですが、実は芙蓉妃にとっては待ちに待った“下賜”だったのです。

とてもショックを受けているように見せてはいますが、むしろ待ち望んでいたこと。

いったいどういうことなのか?

少し話はさかのぼります。

愛する幼なじみと結ばれるため

実は、後宮入りの前に芙蓉妃には故郷で将来を誓い合った幼なじみの彼がいました。

ところがもともと小国の王女だった彼女にとって、その幼なじみと結婚することは身分の違いで許されません。

好きだけではどうにもならない時代・・・

武官だった彼はなんとか武勲を上げ、彼女を嫁にもらい受け(身請けと言う)ようと頑張っていましたが、金も功績も全然足らない。

そんな矢先に彼女の後宮入りが決まったのです。

政略狙いは言うまでもありませんが、もし後宮入りを断ると、下手をすればお家断絶で一族は破滅となる重罪。

もちろん彼女も死罪となります。

泣く泣く後宮へ入った芙蓉妃は、どうにか円満に後宮から出られる手立てはないかと思案します。

もし、帝のお手付きとなれば故郷の彼に会わす顔がない・・・

悩んだ挙句、彼女は行動を開始します。

皇帝から嫌われるためにわざと・・・

芙蓉妃は皇帝のお目通り(初夜)の時に、得意の舞踏を披露しわざと失敗します。

そうすることで皇帝に彼女への印象を悪くさせ、興味を失わせようと考えたのでした。

その後は、傷心で部屋に引きこもるという芝居で、まわりにもダメ妃ぶりを印象付けたのです。

予想は的中し、やがて彼女は皇帝からは見向きもされなくなり、まわりの女官たちからも揶揄されイメージダウンすることに成功しました。

それから2年間、後宮を出るという目的のため芝居を続けた芙蓉妃は、ついに皇帝から”下賜”という形で見切りを付けられることになります。

芙蓉妃の策が的中!?

彼女は“下賜”が決まったと知らせを受けるのですが、万が一にも皇帝の気が変わるかもしれないという可能性をつぶすため、下賜当日までショックで気が触れたと見せかけ夜な夜な不可解な行動をすることにします。

これが後宮内で幽霊騒動にまで発展しますが、すべては芙蓉妃の思惑通り。

一方、故郷の幼なじみの武官ですが、彼女をあきらめきれず必死に武勲を摘み重ね、東部に遠征していた軍に起こったある一件で、功績をおさめやっと皇帝にお目通りが叶い、念願の褒賞として“下賜”を願い出ます。

もちろん、「後宮の芙蓉妃をもらいたい」と。

こうして芙蓉妃にとっては長い間待ちわびた“下賜”当日を迎え、後宮を出て愛する武官と結ばれたというのが事の顛末です。

猫猫だけが気付いた下賜を願う一途な恋物語

芙蓉妃の一連の行動は、かつていた妓楼で実際にあった出来事から、猫猫は芙蓉妃の目的に気付いていました。

ただし、このことを公にすると芙蓉妃も相手の武官も、皇帝への謀反として間違いなく死罪。

養父(羅門)にも言われていた”真実を明かすことばかりが正解ではない”。

明るみにしてもだれも幸せになれないと、心に秘めておくことにします。

ちなみに、作中でのちに明らかとなるのですが、この芙蓉妃の策には手引きした人物が存在します。

芙蓉妃の想いを知り、人知れず裏で巧妙に立ち回り、薬づくりが得意な秘密兵器を手にした後宮を自由に動き回れる人間。

もうお分かりですよね♪

まとめ:【薬屋のひとりごと】下賜(かし)とは?意味や芙蓉妃の目的は?

今回は作中で登場する「下賜」という言葉の意味や、実際下賜を使った芙蓉妃のトリックや真の目的についてくわしく解説してみました。

純潔を守り愛を貫いた芙蓉妃も見事ですが、これバレると重罪で下手すりゃ死罪もありえるほどの行為です。

まさに“愛の逃避行”命がけの脱出劇を演じた芙蓉妃。

末永くお幸せに~

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