今回は作中エピソードのひとつ、おしろい事件にまつわる壬氏と猫猫の出会いについて解説します。
「なぜ壬氏は文を出した張本人が猫猫だとわかったの?」
原作や漫画未読のかたは、アニメで描かれた内容が少し疑問に思われたかもしれません。
そこで前後の流れや理由をまとめていきます。
*この記事にはネタバレを含む内容がありますので気になる方はご注意を!
猫猫はなぜ文(警告文)を上級妃に出したの?
「薬屋のひとりごと」の1話で、後宮では帝の子供(東宮や公主)が次々と命を落とす不可解な事件が続いていました。
これは“呪い”なのでは!?後宮の下女たちの間では根も葉もないうわさで持ちきり。
数か月前に生まれたばかりの玉葉妃と梨花妃の子供たちも原因不明の病に冒され、そればかりか母親(梨花妃)も吐き気やめまいでみるみる痩せ細り、医官たちも原因を特定できずにいます。
“呪い”のうわさと出来心
「これって呪いなのかな!?」
その頃、あまり目立たず余計なことはしない方針で大人しく後宮で勤めていた猫猫は、あるとき下女仲間の小蘭(シャオラン)からそのうわさを耳にします。
呪いなんてバカバカしいと思いながらも、持ち前の好奇心から原因を探ってみることにしたのでした。
ちょうど上級妃がなにやらもめて騒ぎになっている現場に出くわし、彼女らの様子を見てすぐに猫猫は原因を突き止めます。
「これは呪いでも何でもない」
ですが、そもそも後宮の医官を差し置いて、下女の立場で進言して信じてもらえるのか・・・
出しゃばって罰を受けるのもなにかと面倒だ。
できれば関わりたくないという本音と少しの正義感の間で彼女は葛藤します。
かんたんな事と分かっていながら、そもそも猫猫には伝えるすべがない。
「何か(紙でも)書くものがあれば・・・」
まわりも気にせずブツブツとつぶやきながら、その場を立ち去る猫猫。
名推理!猫猫なら朝飯前
しばらくして梨花妃の子供(東宮)は亡くなり、猫猫も「やっぱり信じてもらえなかったか」と何事もなく過ごしていました。
というのも、実は彼女はあの後、誰にもバレないよう自分の衣服(スカート)をやぶって「おしろいは毒、子供に触れさすな」と書き、それぞれの上級妃の宮にそっと置いておいたのです。
残念ながらその忠告が聞き入れられることはありませんでした。
もし猫猫の言うとおりにしていれば、きっと状況は変わっていたはず。
ところが、このことで予想もしない結果に。
彼女のほうが一変する事態になるのです。
突然の呼び出し ついにバレた!?
猫猫はある宦官のお偉い方から呼び出しを受けます。
なにかやらかした!?と不安になる猫猫。
到着すると歳背格好のよく似た下女仲間たちが数人集められていました。
そこで待っていたのは、うっとりするほど美しい女官にも見える宦官・壬氏で、おもむろになにかを書き始めそれを下女たちに見せます。
「そこのそばかす女、おまえは居残りだ」
下女たちはみな、ぽつん・・・
ちなみにこの時代、身分の低い者は読み書きができず文字も読めないのが普通です。
そんな中、一人あせる者が・・・
これは猫猫をあぶりだす壬氏の考えた罠だったのです。
玉葉妃からの依頼/なぜ壬氏は文の差出人が猫猫だと分かったの?
実は玉葉妃のほうは猫猫の警告文を素直に聞き入れ、無事に娘(公主)を病から救うことが出来ていました。
このことで恩人として本人をなんとか見つけ出してほしいと壬氏に依頼します。
玉葉妃から証拠品である文代わりの布切れをあずかった壬氏は、すぐに見当がついた様子でした。
なぜなら、その布は「下女が衣服に使う素材」だと知っていたからです。
でもなぜ紙ではなく布を使ったのか?もしかして自分の衣服をやぶって使ったのか?
この時代の紙はとても貴重品で、だれもが気やすく使えるものではなく、それなりの(低い)身分の者という線に絞りこめます。
また、布の素材から下女もしくは何かしら近い関係者の可能性が濃厚だと壬氏は考えました。
となると、あとは文が書ける(読み書きができる)人間ですが、下女の身分ではそうはいないはず。
ここで彼はある出来事を思い出します。
「そういえばあのとき・・・」
かすかな記憶(壬氏が耳にした言葉)
後宮で玉葉妃と梨花妃がもめていた騒動に駆けつけたとき、すれ違った下女がつぶやいていた言葉。
「何か書くものがあれば・・・」
顔までは覚えていないが、たしか小柄な下女風の少女だったような・・・
一連の行動から、おそらくなにか訳ありで自分の素性を明かすことが出来ない立場なのでは?と考えた壬氏は、唯一の手掛かりに該当する下女のなかから本人をあぶりだすことにしました。
壬氏があぶりだした罠とは
そこで、部下の高順(ガオシュン)に命じ、思い当たる特徴を持った下女を集めたのです。
決め手となったのは、下女の衣服(スカート)の補修跡。
よーく画像を観れば猫猫の衣服(スカート)にうっすら補修した跡が描かれていますが、それを確認した高順は壬氏に目くばせで「間違いない」と伝えます。
こうして確証を掴んだ壬氏は、あとは彼女が読み書きができるのかを確認するだけ。
ほかの下女にはバレない、該当者にだけ伝わる文言でその者の反応を見て特定したのです。
それが、猫猫の特徴である「そばかす女」だったというわけです。
証拠品である下女の衣服(尚服)で使う布の切れはしから、容疑者の衣服がカギと踏み、あたりをつけていた彼女のスカートに繕った後があるのが確認できたので特定した、というのが真相です。
まさかバレるはずはないと高をくくっていた猫猫でしたが、これは壬氏の作戦勝ちでしたね♪
まとめ:【薬屋のひとりごと】壬氏はなぜ警告文が猫猫だとわかったの?そばかす女で特定した意味
今回は作中エピソードのひとつ、おしろい事件にまつわる壬氏と猫猫の出会いについて解説しました。
「なぜ壬氏は文を出した張本人が猫猫だとわかったの?」
猫猫のちょっとした正義感から起こった予想外の展開。
布切れひとつで猫猫を見つけた壬氏と出会うのもきっと運命だったのでしょうかw
ここから猫猫の運命は大きく変わっていくのです。
アニメで猫猫と壬氏の今後の行方が気になった方は、ぜひ原作や漫画をご覧になってみてはいかがでしょうか♪